March 13, 2010

Re:Drawing

前回のドローイングの続きです。

モデルは生きています。当然です。
また、ヌードモデルに関して、写真は撮影できません。

なので、しっかりとセットした場所やモデルのポーズ、ライティングの位置すべて、マークし記憶、記録しておかなければなりません。

前回のドローイングを頼りにモデルを限りなく完璧にセットし、ドローイングを続けていくわけですが、やはり全く同じというわけにはいきません。モデルさんも生きています。私たち描く側も人間ですから。

それで、re-drawingという作業を行っていきます。
「再び描く」ということです。

アカデミーアートにおいて、デッサンの正確さは仕上げの美しさよりも重要視される部分です。
デッサンが少しでもずれていたり、遠近が出せていない場合はいい作品にはなり得ません。

また、描いたものを壊す、ということはアーティストにとってとっても勇気のいることなのです。その壁を破れるようになると格段に成長します。

私も初めの頃はなかなか、描き直すということができないタイプでした。自惚れてしまうというか、一回描いた作品を愛しすぎてしまうというか。壊して次にできなかったらどうしよう、という不安もあったのでしょう。

それが、この4年間でガラリと変わり、壊すことが平気になりました。壊す前のものと同じものが描けるし、たぶん、それ以上のものが描ける、という自信が付いたからかもしれません。

科学より正確なデッサンの「やり方」を体得したので、そのルールに従えば大幅に狂うということは逆に不可能です。

あとは、見方を鍛えるだけです。これは日々の練習やものの見方で養っていきます。

アカデミーアートは皆さんが考える「アート」(感性)というよりも、よりサイエンスティック、つまり科学的です。数学や幾何学の部類に近いです。




前回との違いは、手です。